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ま心のコラム

軍艦島と本当の幸福

2017年1月18日

本経済は「アベノミクス」でどう変わったのでしょうか。
ご存知の通り、アベノミクスには「三本の矢」の構想があります。第一の矢は「大胆な金融緩和」によるインフレ目標達成と輸出振興、第二の矢は「機動的な財政政策」を目標とした公共事業投資です。そして第三の矢は「民間投資を引き出す成長戦略」として企業活動の規制緩和や新産業の育成を図ることです。
経済の構造改革ともいえるこの成長戦略によって経済的な負の連鎖を断ち切り、「売り上げ上昇→企業規模拡大」のプラス連鎖を作り出そうとする政策ですが、果たしてその効果を実感している人はどれくらいいるのでしょうか。

崎県の沖合に「軍艦島」と呼ばれる無人島があります。正式名称は「端島」と言い、2015年に世界文化遺産に登録されました。
周囲わずか1・2キロの小さな軍艦島は良質な石炭の産地として非常ににぎわい、昭和35年には5千人もの住民で栄えました。どの家庭にも、当時三種の神器と呼ばれた白黒テレビ、電気冷蔵庫、電気洗濯機が揃っていました。炭鉱の島での生活は危険と隣り合わせでしたが、その反面大変豊かだったのです。

かし1960年代に起こった石炭から石油へのエネルギー転換に伴い、役割を終えた端島炭鉱は昭和49年、ついに閉山しました。現在の軍艦島に住人はなく、採炭施設や学校、高層住居の跡など、当時の繁栄ぶりを伝える建物群が、訪れる人々の郷愁を誘っています。

メリカのハーバード大学で「何が人を幸せにするのか」という研究が行われています。268人の人生を75年間にわたって調査するという壮大な研究です。
この研究の主任教授は「幸福とは愛です。それ以外の何物でもありません」と結論しました。
すなわち人間とは、周囲の人との温かな人間関係を多く持っているほど、より大きな幸福感に包まれているものなのです。豊かな人間関係を持つ人ほど社会的に成功しやすいということもデータから結論付けられました。

栄とは幸福が増えていくことにほかなりません。繁栄の終着点である真に幸福な社会とは、誰もが誰もを思いやる心温かな社会なのではないでしょうか。

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