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ま心のコラム

身近な冒険の旅へ

2016年5月2日

「不安なときは、どんな小さなことでもいい、今できる行動を起こすこと」
「あきらめないこと、決してどんな時でもあきらめないこと」
これは世界的な冒険家・植村直己氏の言葉です。
植村氏はエベレスト、キリマンジャロ、マッターホルンなど世界五大陸の最高峰を全て制覇した上に、アマゾン川6千キロのいかだ下り、そしてあの有名な犬ぞりでの北極点到達など、数々の前人未到の記録を打ち立てました。

村氏は大学の山岳部時代に非常に厳しい登山トレーニングを自分自身に課していました。それは「自分には優れたところが何もない」と考えていたからでした。そしてその結果、のちに数々の大記録を打ち立てる糧となった強靭な肉体を手に入れたのです。
植村氏は人前に出ることを苦手とし、頼まれた講演も決して上手ではなかったそうです。しかしそれでも聴衆はその口下手も含めた植村氏の誠実で謙虚な人柄に強い感銘を受けたそうです。

の世界を知るためには、いくつもの方法があります。
本を読み、思索することもその方法の一つです。そして、書斎から飛び出して行動し、この世界の厳しさを体で覚えることもまた「知ること」なのです。
人は冒険をしなければ、何かを本当に知ることはできないのかもしれません。
命を賭けた知識だから、人の心を打つのです。
その冒険によって、世界はまた一つ狭くなり、身近なものになるのです。

村直己氏は厳冬期のマッキンリーに世界で初めて登頂したあと、その情熱にふさわしく、冒険の中に生涯を閉じました。「不安になるより行動すること」と、真っ赤に輝いて生き抜いた人生でした。

ベレストやアマゾンだけではありません。毎日の身近な生活の中にも冒険は隠れています。
我が身を顧みず困っている人を助けること。誰が何と言おうと自分が正しいと信じることを貫くこと。安易な方向に行きがちな自分を戒めること。
こうしたことは皆、勇気ある「冒険」ではないでしょうか。

険することによってのみ、人は新しいものの見方を獲得することができます。それまでは見えなかった人の優しさや温かい思いを身にしみて感じることができるようになります。
日常生活の「冒険」にぜひ旅立ちましょう。はるかな頂の向こうに広がる幸福の風景は、旅立った人のものなのです。

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