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ま心のコラム

白象の上手な飼い方

2014年9月1日

南アジアの国・タイでは象が神の使いとしてあがめられています。中でも体の色が白い「白象」はとりわけ神聖視されており「象法」で国王に献上することが義務付けられています。白象を献上した人はその見返りに国王から直々に多大な褒賞をもらえるそうです。

かし英語で「ホワイト・エレファント」というと「困ったもの」という意味があります。ある国の国王が臣下に白象を贈ってその世話に財産を消費させ、失脚させたという故事によります。
本来神様からの贈り物である幸運の象徴である白象が、なぜ自分の身を滅ぼす危険なものになってしまうのでしょうか。

えば、介護の問題があります。
高齢者などの在宅介護には、家族の思いやりと献身が欠かせません。
しかし「人様に迷惑はかけられない」とあまりにも思いつめてしまう時、白象が姿を現します。

護疲れから起こる、人命にかかわる悲劇は少なくありません。あまりにも献身的な自己犠牲の心が、本末転倒な結果を引き起こしてしまうのです。それは美しい心が陥る最大の罠だと言ってもいいかもしれません。
悲劇が起きた時周囲の人はまず真っ先に「なぜ、一言……」と言葉を失ってしまうのです。

の心は強いものです。しかし場合によっては自分が思っているほど強くはない時もあるのです。
困った時に人を頼ることができるのももう一つの心の強さです。

難を白象だとすれば、その世話を立派にやりとげたあかつきには、国王から巨額の報酬が与えられます。
その栄光を独り占めにしようとはしていませんか?
あまりにも苦しい時、人の力を頼ることは、人に迷惑をかけることではなく、栄光をみんなで分かち合うことになるのです。

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