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ま心のコラム

東日本大震災が残したもの

2015年9月11日

日本大震災が起こった平成23年3月11日から4年半の歳月が流れました。
警察庁の発表によると、今年8月末までに震災で亡くなられた方は1万5千893名、行方不明の方は2千573名。いまだに身元の分からないご遺体が81体あり、今も身元確認や行方不明者の捜索が続けられています。

震災と大津波は直接の被害だけでなく、様々な波紋を日本全国に及ぼしました。原発事故によって広い範囲で計画停電が行われ、日常生活のみならず交通網や企業の生産活動を停滞させました。
生活必需品の不足が起こり、市民生活の混乱と不安をかきたてました。今まで考えらえなかった「まさか」という出来事が立て続けに起こりました。
今までインフラが未発達な発展途上国の出来事だと思っていた電力不足が、そして誰もが予想もできなかった食糧不足や水不足の脅威が日本社会を襲いました。

まで遠い世界で起こっているとばかり思っていた危機的状況が身近に起こり、国民の間には今までと少し違った意識が芽生えました。それは、何不自由なく行き届いていると思っていた日本という国も、ともすれば世界にはびこる貧困の苦難と完全に無縁ではないということを身にしみて感じる機会でもあったのです。
それは東日本大震災が残した最も大きな教訓だったのではないでしょうか。

界でも珍しいほど恵まれた環境にいる日本人が今、震災の復興に全力を注がなくて、一体何のための豊かさでしょうか。また震災で傷ついた心の痛みで、戦争や飢餓で苦しむ世界中の人々の痛みを推し量ることなくして、何のための試練でしょうか。

本が以前のように強い経済力を復活させ、何不自由ない生活を再び手に入れることだけが復興なのではありません。心も、震災の被害から少しでも早く復興しなければならないのです。
お互いを助け合い、思いやる心を現実にしっかり根付かせることがどんなに大切なことなのかを、私たちはあらゆる試練からぜひとも学び取らなければならないのです。

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