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ま心のコラム

心の銀河系

2013年9月2日

栄とはなんでしょうか? 経済的に大きな自由を獲得することや、他人との競争に勝ち、地位や名誉を達成することだけが繁栄なのでしょうか。

とえば世界は、ガソリンを消費する高度経済社会が環境破壊を招き、人類を破滅へと導くことを知りました。ハイテク兵器を駆使する戦争が、実際は当事者のどちら側にも勝利をもたらさないことを知りました。破滅への予感をはらんだ拡大主義が、もはや繁栄と呼べないことは明白です。いま世界では、有史以前からの繁栄の図式が音を立てて崩れようとしているのかもしれません。

栄とは力を持つことです。でも本当の力とは何でしょうか。歴史や先人たちの偉大な功績など、私たちが有史以前から脈々と受け継いでいる何かを未来に伝える知恵の方が、ちっぽけな権力や単なるモノの豊かさとは比べ物にならないほど大きな力を持っているのではないでしょうか。

油に頼った生活から、風や太陽、農産物などを利用したエネルギーへの転換が行われれば、私たちの生活はひょっとすると今ほど便利なものではなくなるかもしれません。また平和の模索は利己主義の激突である戦争よりつらく苦しい道のりなのに違いありません。しかしどの道が、この地球上の人類の遺産を未来に送り届けることができる道でしょうか。

宙の星々は偶然その場所にあるのではないことが、最新の天文学で発見されました。
宇宙には直径一億光年、つまり横切るのに光の速さで一億年かかる大きさの泡がいくつも重なっており、銀河はその泡の表面にまるで蜘蛛の巣のように幾何学的に並んでいるそうなのです。

の遠くなるような宇宙の巨大構造でさえ、そうした計り知れないほど巧みな秩序に一分の隙もなく従っているのです。いわんやその宇宙の微小な存在である私たち人間がその美しい秩序に組み込まれていないはずがあるでしょうか。

腹が空いていても一つのパンを見知らぬ人と分かち合うことは、宇宙の秩序に従うことです。雪の夜に暖かい部屋から暗い町へと、困っている友人を迎えに傘を持って出かけることもそうです。遠い国の飢えた子どものことを時々想像し、できればちょっとした援助を送ってあげることも、美しい宇宙の秩序に従うことです。そして何より、宇宙の秩序に従うとは、困難を試練として受け止め、希望とともに進むことです。
私たちの心もまた、銀河と同じ緻密な方法で織られた美しい一つの織物なのです。

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