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ま心のコラム

心の行き先

2015年3月1日

の心というのは、一見混沌として不可解なもののように思えますが、実ははっきりした秩序に従って、正確にこの世での役割を果たしているのです。
アメリカのとある一卵性双生児の姉妹は、生まれてすぐに別々の家に養子に出され、お互いに双子のきょうだいがいることを知らずに育ちました。三十年以上経って初めて再会した二人は、二度びっくりしました。二人とも高校時代に新聞部に所属し、大学で映画を専攻し、物を書くライターを仕事にしていたのです。二人はまったく同じことに興味を持ち、ほとんど同じ人生の選択をしていたのです。

とはどこからやってきて、どこに向かっていくのでしょうか。
人類最古の文明は、340万年前の石器痕にまでさかのぼることができます。
そして現在その文明は一秒間に一京(一億の一億倍)回の計算をするスーパーコンピューターを作り出し、彗星に着陸する探査機を生み出しました。
しかしその一方、ラスコー洞窟やアルタミラ洞窟に一万五千年前のクロマニヨン人が描いた壁画は現代の画家をも驚かす至高の芸術性を持っています。
技術は進歩します。しかし人の心は何万年も前から同じ輝きを保っているのです。

の進歩した技術を、人間はさまざまな争いのために使っています。石油やダイヤモンドといった、本来暮らしを豊かにするはずの豊富な資源さえ、武器を買う資金として利用しています。
心を売って技術を獲得するのが人類の運命なのでしょうか。
340万年前の人類の祖先がもしそのことを知ったら、道具を捨てて森の中へ帰ってしまうかもしれません。

かしそうではありません。
どんな時代になっても人間に一番大切なものは心なのです。お互いを慈しむ正しい心、人を和ませる豊かな心を持っていることが、人間の存在理由だということができるのです。

とは、死んでも消滅してしまうものではありません。人が死んだ後、心はその人を覚えている人の心に分け与えられ、思い出とともに静かに宿るものなのです。心がそうやって受け継がれてきたのは何百万年前、もしかしたら何億年前からのことなのかもしれません。
私たちの心は、遠い過去からの贈り物です。そして私たちには、大切なその心を損なうことなく、大切に育てて未来へと渡す義務があるのではないでしょうか。

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