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ま心のコラム

心の散歩道《その19》「人の喜びを自分の喜びとする」

2020年12月1日

世の中には「人のことなど考えていたら幸福にはなれない」と考える人も多くいます。
ですが、本当に幸せそうな人をあまり見かけないのはなぜでしょうか。
石井先生は「人の喜びが自分の喜びとなった時、はじめて自分も幸せになれるのです」(ま心新聞1988<昭和63>年6月号)と言っています。
「自分だけが幸せならいい」と思う心とは逆の「人を幸福に導く心」を知れば誰でも簡単に幸せになることができるのです。

その心とはどんな心なのでしょうか。石井先生はこう言っています。
「自分のことは一切考えないこと。相手のことだけ考える。相手が喜ぶことを考える。それだけです」(平成元年3月・東京指導会)
相手を喜ばせることが、自分が幸せになる一番確かな方法なのです。

「どうしたら相手は喜ぶのだろうか? 相手の話に同調したらいいんじゃないですか。あなたが理屈を言うから相手が喜ばないんです。あなたが知ったフリをするから相手もおかしくなる。だから人間関係が悪くなる。相手が喜んで自分が得する。また相手もあなたが喜んで自分が得をする。世の中こうなっているんです。これが持ちつ持たれつなんです」(同上)

そうした心を石井先生は「大きな心」と呼んでいます。大きな心になることで、人は本当の幸せを手に入れることができるのです。
「人が幸せになる手伝いをしたら、自分が損じゃないか」と思うのは人間の考えです。
人の足を引っ張っていたら、その人は決してあなたの味方にはなってくれないでしょう。それどころか、機会とみれば逆にあなたの足を引っ張ってくるかもしれません。それはマイナスがマイナスを呼ぶ冷たい競争の世界です。

しかし、人が喜ぶのを自分も喜ぶことができたらどうでしょうか。
その人は、何かあればあなたに協力してくれることでしょう。困ったときには力を貸してくれるかもしれません。
また周囲に穏やかな人間関係が生まれて家庭が円満になり、ひいては仕事の成果も上がりやすくなることでしょう。
そのようにして「人のため」を思うことは、相手ばかりではなく、自分が幸せになるためにも、一番効果のある方法なのです。

「お人好しでは生活は楽にならない。しかしお人好しと人間のま心には天と地の違いがある」と石井先生は言っています。「人の喜びを自分の喜びとする」心とは、自分で自分を応援する、最強の心の持ち方なのです。

 

===【信じますか?ESP体験談】お砂糖と約束手形===

ある商店街に、斜めに向かい合ったケーキ店と和菓子のお店があった。ケーキ店の店主Aさんと和菓子店の店主Bさんはお互いをライバル視して日ごろから仲が悪く、毎朝店の前を掃除していても挨拶も交わさない間柄だったそうだ。
そんなある夜、和菓子店の奥さんがケーキ店の奥さんに相談に来た。
「お砂糖の注文を間違えて足りなくて困っているの。貸してくださらないかしら」
Aさんは二つ返事で砂糖を一袋貸してあげた。

「ありがとう、助かりました」
和菓子店の奥さんはお礼を言ってくれたが、店主のBさんからは一言の挨拶もないままだった。Aさんは面白くなかったが「どうせそんなやつさ」と、気にしないことにした。

そうしたある日、Aさんの身に災難が降りかかった。
得意先のC社の社長が来て、売掛の入金を三日待ってほしいと言ってきたのだ。
しかし、Aさんのケーキ店は次の日に大口の決算が控えていたのだ。支払いにはC社の売り上げが計算に入っていた。

「それは困ります」とAさんは言ったが、「何とか」と土下座までするお得意先のC社社長には何も言えず、言われた通りに支払いを伸ばすしかなかった。
「さて、困ったぞ」と言うAさんを奥さんは「石井先生が何とかしてくださるわ」と励ました。Aさんは「その通りだ」と指導テープを聴いてねんぎょくに願い、全てをおまかせすることにした。

次の日、Aさんはお店を奥さんと従業員にまかせて百万円の金策に走った。しかし事情を説明しても、商店街の小さなケーキ店にお金を貸そうというところはなかった。何とかかき集めたわずかなお金と共に、刻々と迫る時間にAさんは途方に暮れてしまった。

ついに銀行の営業が終わった。
(お店もついに終わったか)とAさんは天を仰いだ。
Aさんは暗い顔で家に帰り、奥さんに「ダメだったよ」と沈み切った気持ちで伝えた。しかしAさんの奥さんはニコニコしている。
そして「間に合いましたよ」とAさんに言った。

「何が?」と聞くAさんの奥さんがすべての出来事を話し出した。
困った様子のAさんの奥さんからBさんの奥さんが事情を聞きだし、それをBさんに伝えたのだ。
「そうしたらBさんは黙って百万円を下ろしてきてくれたそうなの。私がそれを持って銀行に走ったわ」

商店街の昼下がり、AさんとBさんが店先で将棋を指している姿がときどき見られるそうである。

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