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ま心のコラム

心で世界をめぐる

2017年4月6日

国・慶尚南道の海印寺(ヘインサ)にある『高麗八萬大蔵経』は、世界最高の仏教経典として世界遺産に登録されています。今から七百年前ほど前に八万一千枚の木版で刷られました。この八萬大蔵経をもとめて多くの国が高麗を訪れました。日本にも東京の増上寺と京都の大谷大学に室町時代の大蔵経が伝わっています。

国と日本の文化はいにしえからお互いに影響を与え合って発展してきました。
有田や伊万里などの焼物は朝鮮半島から渡来した陶工の優れた技術によって発展しました。そして江戸時代の朝鮮通信使は江戸の町の隅々にまで貨幣経済が行き渡っていることに驚嘆しました。日本で韓流が流行れば、韓国ではカツ丼やラーメン、居酒屋といった日本の食文化がブームになりました。

国であるがゆえ、領土や歴史認識で意見の違いが生じることもあります。しかしそれは政治的な話であり、日本人と韓国人が個人的に話をするときはお互いに相手のことを知ろうと興味津々なのです。むしろ政治の話などは「禁句が多くて困る」などと冗談にしてしまうことが多いのです。お互いをいたわる心がそこにはあります。

国語と日本語は文法が極めてよく似ていて、お互いに最も学習しやすい言語だと言われています。そして日本と韓国は箸で白いご飯を食べる食文化を共有しています。まさに「同じ釜の飯を食う」間柄なのです。

本と韓国には複雑な歴史がありました。しかし過去を振り返ってせっかくの無垢の未来を暗い色に染める必要などどこにもありません。過去のことは過去のこととして、今を精一杯に明るく過ごすことが、自分を大切にし、幸福へと歩いていく一番の近道ではないでしょうか。
国籍も言葉の違いも政治家の思惑も越えて、人と人とが生身の心を理解し合うことが真の国際化の意味なのではないでしょうか。

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