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幸せになる心の使い方

2018年1月1日

メリカ・ユタ州のキム・ピークさんは1万2千冊の本の内容を一字一句間違えずに記憶することができました。先天性脳障害を持っていましたが、それ故に超人的な能力を発揮する「サヴァン症候群」の一人でした。
またヘンドリック・ヴァン・アンデル・シッパーさんという115歳まで生きたオランダ人女性の脳は若いときと同じ機能を保っており、ほとんど衰えがなかったそうです。シッパーさんはニシンとオレンジジュースが好物で毎日欠かさなかったそうです。

る程度の年齢を超えると「物忘れが多くなった」という嘆きが出てくるものですが、ある研究によると度忘れの頻度は子どもも大人もあまり変わらないそうです。ただ大人になると覚えておかなければならない事柄の重要度が増し、範囲も多岐にわたるようになるため、相対的に記憶力が弱くなったように感じてしまうのではないでしょうか。
人間の脳には140億個の細胞があり、20歳を過ぎると1日に10万個ずつ死滅していってしまうそうです。仮にその通りだとしても、20歳から40年後の60歳までになくなってしまう脳細胞の数は14億6千万個。それでもまだ約9割が機能を維持しています。しかも脳の神経細胞は樹状突起によるネットワークを死ぬまで増やし続けます。脳の寿命は120年とも言われます。脳は私たちが「歳を取った」と感じているほどには老化しておらず、むしろ若々しいままの状態を保っていると考えた方がいいのです。

はいえ、脳も体の一部。体と同じようにいたわってあげなければ、機能の低下は避けられません。脳をいたわるには一体何をすればいいのでしょうか。
健康といえばまずは食生活です。
雑穀類や豆類、豚肉に含まれるビタミンB群や、青魚に含まれるオメガ3脂肪酸が脳の健康を助けます。また、睡眠をしっかりとることとストレスを溜めないことも脳の健康に役立ちます。マウスに好きなこと(回転車を回させる)をさせると脳神経に発達が見られ、同じ運動でも反対に嫌いなこと(水の中を泳がせる)をさせた場合は脳神経が増えないという結果が出たそうです。

かしどんなに健康に気を付けていても避けられないのが病気です。
脳の機能を損なう代表的な疾患といえば脳卒中と認知症です。これまでは、この2つの疾患で損なわれた脳の機能は回復しないと言われてきましたが、最近の医療ではそうではないことがわかってきました。
脳には失われた機能を他の部位で代替する可塑性があることがわかってきました。それにより、脳卒中でマヒした体の機能も適切なリハビリにより回復する可能性があるのです。
認知症は治療薬の進歩とともに、患者に不安を抱かせないことや、多少不合理でも本人のやりたいようにさせてあげることなど、周囲の温かいケアが大きな改善効果を上げるということがわかってきました。

間の脳は人間自身にもまだまだ予想がつかないような驚くべき未知の働きを秘めているのです。それは人間の中に宿る大自然というべきものなのかもしれません。
私たちの心もまた大自然の神秘のうちにあります。私たちの頭や体、そして大自然の法則に従っていつでも誰にでも優しく接し、目に映るすべての恵みに心から感謝し、周りの人に喜ばれるように行動するとき、心が思いがけない素晴らしい力を発揮してくれるのではないでしょうか。
宇宙の神秘の仕組みは解明できなくても、私たちには神秘から幸福を引き出すことができます。誰かのために幸福を引き出すことこそが、人間の心の持つ本当の役目なのではないでしょうか。

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