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ま心のコラム

常識と月のウサギ

2013年10月1日

「銭湯」というありふれた看板は、日本に来た中国の方をとても驚かすそうです。湯=タンは中国語でスープを意味するので、中国の方には銭湯が「お金のスープ」と読めるのです。入り口を入ると「男湯」「女湯」ののれんが下がっていてさらにびっくりすると言います。
また、世界一成功したロックバンド、ザ・ビートルズが医学の世界にも大きな貢献をしていることをご存知でしょうか。ビートルズが在籍していたレコード会社の系列企業では、ビートルズの記録的なレコード売上を研究開発費に回してCTスキャンを完成させました。CTスキャンは音楽以外でビートルズが残した最も偉大な遺産と言われています。
遠いイギリスはおろか、お隣の中国のことでさえ、文化の違いによる意外な驚きは多いものです。

識が常識であるのは、多くの場合共通の歴史や文化を持つ一つのコミュニティの中だけでのことです。社会とは、常識を疑いなく共有する人々の集まりだということもできます。
社会の一員の証である常識を破るのは難しいことです。しかし常識を破るということは、裏返せば社会の外側に一歩踏み出し、狭い内側からの視点を広い外側からの視点に切り替えるということです。それができたら、今まで見過ごしていたものがどんなにたくさん見えることでしょうか。

識は人の心の中にあります。常識によって、私たちは安定した社会生活を送れる反面、心に目隠しを作り、自分自身や社会全体を閉そく状況に追いやってしまうこともあります。
私たちは、安定を目指しながらも破るべき常識を破らなければならないのではないでしょうか。

い世界は一つです。閉じた殻の外に出て、誰もがたった一つの同じ世界に生きていることを理解したとき、人と人は本当に心から分かり合えるのではないでしょうか。

の模様は、日本ではウサギの餅つきと言われています。ところが中国の月ウサギは餅ではなく薬草をついているそうです。その他にもライオン、片腕のカニ、髪の長い女性、本を読む老婆、木を担ぐ男など、月の模様は民族によってさまざまに解釈されています。もし違う月の見方をする人同士がお互いに自分が正しいといがみ合っていたらどうでしょうか。そんな滑稽な話はありません。月は人間が生まれるはるか以前の太古から変わることのないたった一つの月なのですから。

った一つの太陽と月が、この地球上の人類すべてを平等に惜しみなく照らしているのです。そんな奇跡に、時には思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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