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ま心のコラム

困難を踏み台に

2013年5月1日

イルショックという言葉に、多くの方が懐かしい響きを感じることと思います。昭和48年、第4次中東戦争の勃発とともに原油価格が暴騰し、世界経済に大きな混乱を与えた出来事です。
日本でもその影響から「狂乱物価」という言葉が生まれ、トイレットペーパー買い占めなどの騒動が起こり、高度経済成長が終焉を迎えました。

かしオイルショックを懐かしいとばかりは言っていられません。中東情勢の不安定化や新興国による需要の増大による値上がりに加え、円安で原油価格は再び高騰しています。原油の高騰はガソリン価格等直接の影響だけでなく、電気、運輸、食糧価格など広範囲に影響を与えます。特に漁業は燃料費の高騰が直接操業に響いてしまいます。

波の海に出てぎりぎりの利益で漁をする方々の忍耐や、田畑を襲う干ばつや冷害、台風などの脅威にさらされる方々の憂慮が、多くの家庭の食卓を豊かにしてくれています。高所や地下での危険をいとわずに作業をしてくれる方々のおかげで、電気やガスや水道が安全に供給されています。毎晩日付が変わっても黙々と働く方々のおかげで真夜中でも買い物ができ、安全に帰宅することができます。私たちの暮らしは困難に立ち向かう見知らぬ人の努力によって日々支えられているのです。

に、私たちの困難も誰かの幸せを支えています。病に侵されても決して希望を失わずに強く立ち向かう方の姿は、どれほど同じ苦しみを抱える方の励ましになることでしょうか。逆風の世の中で事業の経営にあたる方の懸命な努力が、どれほどの知恵と勇気を生み、社会を繁栄に推し進める力となっていることでしょうか。

40年前のオイルショックによって、日本の産業構造の主力は重工業から加工組み立て工業へと転換しました。また、いわゆるエコロジー意識もこの時を機に高まりました。マイナスをプラスに転じる逆転の発想で、日本はその後の経済発展への足掛かりをつかんだのです。

つの時代にも、その時と同じ勤勉さと柔軟な発想が求められているのではないでしょうか。それがある限り、どんな問題も必ず乗り越えられるばかりか、次の大きな飛躍のための踏み台に過ぎないものとなるでしょう。困難に打ち勝つ力はもちろん生半可なものではありません。しかし人間の内にはどんな困難にも立ち向かえる心の力が生まれつき用意されているのです。

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