傷口と癒し
2016年6月1日
「お金は経済の血液だ」とよく言われます。お金が豊富に順調に回っていれば世の中は活気づくし、あまり出回らなかったり流れが滞ったりしてしまうと社会全体に活気がなくなってしまうところからも、確かにその通りだと言えます。
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お金が血液だとすれば、世の中は一つの人体に例えられるのではないでしょうか。
集めた税金を国民のためにどう使うかを決める国会はさしずめ心臓と言ったところでしょうか。衆議院、参議院と二つに分かれて機能しているところも心臓に似ています。
道路や鉄道などの交通網はさしずめ筋肉で、情報をやり取りする通信網は神経でしょうか。以前電話は家族のものでした。それが個人のものとなったことで、世の中の風景はがらりと一変してしまいました。
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戦争は免疫異常のアレルギー反応で、オリンピックは定期的な健康診断と言ったところでしょうか。
そして災害は不慮の事故による負傷です。平成28年熊本地震などの災害は、国全体の痛みです。傷跡が一日も早く癒えることを願ってやみません。
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休息とは体や心の力を抜いて、ゆっくりと回復を図ることです。しかし、体の器官や細胞は休んでいるときこそ懸命に働いています。細胞が働いていてくれるからこそ、休んだあと体が元気になるのです。
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デフレとマイナス金利、そして少子高齢化を迎えた今の日本は、傷つき、疲れた体をしているのかもしれません。しかしそんな今こそ私たちは世の中の元気を回復させるために、より一生懸命頑張らなければならないのではないでしょうか。
傷つき疲れた体を癒すために、私たちは「ま心」を発揮しなければならないのです。