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ま心のコラム

「もったいない」は優しさの言葉

2013年4月1日

 災害時は、国際援助の出番でもあります。1999年9月の台湾大地震や2005年8月にアメリカ南東部に甚大な被害を出したハリケーンカトリーナ、2008年5月の中国四川大地震、2010年1月のハイチ地震、そして2011年3月の東日本大震災でも、救助活動や援助物資、義援金をもって世界中が国境や人種を越えて助け合い、多くの人々の心に温かな灯をともしました。

 規模災害が海外で起こった場合、被災地への心配とともにささやかれるのが、日本の食糧自給率の低さです。平成23年度の日本の食料自給率はカロリーベースで39%。アメリカの130%、ドイツの93%、韓国の50%に比べても、ずば抜けて低い数値です。ひとたび海外で大規模災害が起これば、食糧確保の危機に陥らないとも限りません。

 糧の多くを輸入に頼っている半面、日本では買ったまま利用されることなく捨てられる食糧が全体の11%、宴会などでの食べ残しが17%もあるそうです。合わせて28%、3分の1近くの食糧を捨てていることになります。世界ではおよそ9億人、約8人に1人が食糧の足りない飢餓状態に置かれています。日本で1日で無駄にされているのは、発展途上国の50万人分の食糧にあたるそうです。

 本人に特有の感性を表す「もったいない」という言葉は、海外でもそのまま「MOTTAINAI」として広められています。
この言葉には、無駄をなくそうという合理精神のほかに、限られた食糧や資源を少しでも多くの人と分かち合おうとする「優しさ」が含まれています。
他人からたくさんの優しさをもらっているのにそれには気付かず、自分から人に優しくしようとしない人は、心の食糧自給率が低い、貧しい人ではないでしょうか。

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