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ま心のコラム

古き良き日本の心

2016年2月8日

手県久慈市は、世界最古級の琥珀を産出する土地として古代からその名を知られてきました。鉱物に非常な関心を寄せた宮沢賢治も琥珀に魅了され、詩と童話作品の中に37カ所も「琥珀」の文字を使っています。

津の漆器、岩槻のひな人形、加賀の九谷焼、堺の刃物、赤穂の塩、紀州の備長炭、高松の和三盆、佐賀の有田焼、琉球のウコン、今治のタオルなど、日本各地の名産品の多くは、江戸時代に各藩の専売品として開発されました。百数十年を経た今も高いブランド力を保って地域の経済を潤しています。

うした特産品は船や馬で江戸や大阪へ集められ、蔵屋敷を賑わせました。江戸の町の繁栄は地方の豊かな生産力に大きく支えられていたのです。東京への一極集中が進み、地方が空洞化している今の日本の状況とは正反対の経済構造だったのです。

「都会には何でもある」。しかし都会に集まっているものは地域独特の伝統からも風土からも切り離された「標本」ばかりではないでしょうか。何でもあるはずの大都会には、歴史や伝統、それにものに込められた作り手の息遣いがすっぽり抜け落ちてしまっているのです。

TPP(環太平洋パートナーシップ協定)は加盟国間の貿易完全自由化により、それぞれの国が主体的に経済関係を作り上げていこうとする枠組みです。日本も締結に向けて協議に参加しています。世界の経済動向は、中心を分散させて全体で大きく育っていこうとするマルチラテラリズムの時代に入っているのです。

「ここに我あり」という存在感を示すためには、我が道を行く大きな心が必要です。疲弊して空回りしているかのような日本社会に新鮮な風を吹き入れるのは、人と違う自分に誇りを持つその心意気ではないでしょうか。長く眠っていた「古き良き日本の心」が、いま必要とされているのです。

は皆それぞれの道を歩いています。どれが正しい道なのかは、人に聞いてもわかりません。それは、自分の心にじっと耳を傾けることで自ら見つけ出すものなのです。

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