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ま心のコラム

心の錬金術

2015年11月5日

「稲むらの火」という話をご存知でしょうか。
1854年12月、マグニチュード8を超える安政南海地震が紀伊半島・四国を襲いました。地震に伴って沿岸部は15メートルを超える津波に襲われました。
そのとき、現在の和歌山県広川町の醤油商人だった濱口梧陵(ごりょう)が、住民を安全に避難させるために自分の田に積んであった稲むらの山に火をつけたのです。町は津波で壊滅しましたが、闇の中の稲村の火のおかげでほとんどの住民の命が助かりました。

の後、梧陵は4665両(現在の価値にして数億円)もの私財を投じて堤防や橋を建設、津波の再来に備えて小泉八雲から「生き神様」と呼ばれました。
住民を助けたとっさのひらめきと行動力、そしてそれ以上に私財をもって防災に尽くした献身が、大きな津波被害にあった東南アジア諸国など世界でも高く評価されています。

たちは幸福になるために生まれてきました。
本当の幸福とは自分が生まれていなかったときよりこの世界の誰かが少しでも幸福になったと思えることではないでしょうか。人間は自分の欲望をかなえるためではなく、この世界を少しでも良くするために生まれてきたのです。
人間のほかに一体誰に世界をより良く変えることができるでしょうか。

かに、世の中にあるのは美しい心だけではありません。心無い行いが世間の耳目を騒がすことが、まるで日常のようになっています。
そんなときもし「自分だけ人のことを考えているのはばかばかしい」と思えたら、偉大な日本人が行った人のための行動を思い起こしましょう。私たちは思いやりの心を形にするために生まれてきた高貴な存在だということを忘れてはいけません。

「自分のことよりも人のためになりたい」
自分のことだけを考えれば、人間はただの人間でしかありません。
しかし人間の心とはそれだけのものではありません。他人のためを思って行動したとき、心は計り知れない大きな力を発揮することができます。
何の変哲もない石ころからさん然と輝く黄金や、高貴なダイヤモンドを生み出すことができるのです。

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