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ま心のコラム

震災を思うときに

2017年3月8日

成23年3月11日午後2時46分に起こった東日本大震災から、6年の月日が経ちました。
国内外からの多くの支援に助けられて、岩手県、宮城県、福島県を中心とする被災地の復興が現在も進められています。
津波が押し寄せた町からはがれきが取り除かれ、新しい道路が作られています。農業生産も震災前の水準をほぼ回復しています。
被災地では、社会基盤がようやく復旧したこれからが、一度失われた活気を取り戻す時だという気概に満ちています。

れど、町や日々の生活が元に戻ることだけが復興ではありません。
震災では1万5千893人の方が亡くなり、2千556人の方が今も行方不明となっています(平成28年12月9日警察庁発表)。
またいまだに避難生活を送っている方の数は12万3千人。そのうち10万4千人の方が仮設住宅に住んでいます(平成29年1月16日復興庁発表)。

くの方が、かけがえのない人や大切なものを失った心の空席を抱えています。
今年小学生になるある女の子は生まれてから一度も髪を切ったことがありません。震災で亡くなった消防士の父親が触れてくれたかもしれない髪だからです。
職場で亡くなった妻が最後に残した「帰りたい」というメールの願いをかなえるため、今も海に潜って手がかりを探し続ける男性がいます。
また5年かけてがれきの中から幼い娘のマフラーと遺骨を探し当てた男性もいます。
町や海から震災の傷跡が消えていっても、亡くなった方の面影は、生涯を通じて生きている人の胸に残り続けるのでしょう。

の胸の空席を埋めることは、誰にもできないかもしれません。
ですが、震災のことを思うとき、たくさんの方々が持つ心の空席のことを思い起こしてみてください。
お金や物も必要ですが、大切な何かをなくした人へのそうした思いこそ、本当の復興を成し遂げるための力なのではないでしょうか。

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